2018.12.03
ハサミの良し悪しで髪の質感やダメージが変わってきます。
こんにちはTOCA代表の佐藤です。
僕が一番最初に働いていたサロンではオリジナルのハサミとセニング(梳きバサミ)があって、その2丁でずっと仕事をしてきました。
それが当たり前だと思ってました。
その次に働いたサロンは元アクア出身のオーナー。今までしてきたカットとは違いとても質感が軽く柔らかい。
どうしたらあんなに柔らかく作れるのか、
セニング(梳きバサミ)で軽くしすぎるとパサパサしてしまうし…
今までの僕の技術になかったもの。。。
それは
「ドライ後の質感調整」
髪を乾かした後の質感作りに使う【ドライシザー】というものを僕は使ったことが無かった。
そこで当時のオーナーが使っていたハサミ屋さん「ヒサダシザー」のひっさんこと久田さんを紹介していただき、ドライカット用シザーを購入。(それが約9年前のこと)
いままではウェットでカットをしてウェットでセニングを使い毛量調整。ドライ後はほとんどチェックカットをしませんでした。
もちろんブラントカットでしっかり形を作ることが基本であって、1番大事なこと。そこにプラスしてドライシザーで質感を柔らかくつくる。
今までの切り方をベースに固く見えやすい日本人の髪質に柔らかな質感調整を施す。
僕の中で大きく切り方が変わりました。
この時はオリジナルのハサミ以外のものを使うのが初めてなので、実際良し悪しはわかりませんでした。ただ、この8年間1度も研いだことがないと言うことはとてもすごいことです。
それから約8〜9年後ひっさんのシザーがよくSNSで登場していて、そのハサミが気になり、再びお店にきてもらいました。
それがこの【アディクトセニング】
1回のハサミの開閉で約40%も髪を落としてくれます。なのにセニングのラインも出ず、束感が出しやすい。使ってみると分かるんですが、40%も削ぎ落とすのにスッと切れる感触がホント不思議。毛量を多く落とすセニングほどライン跡が残ったりするんですが、それがまったくない。
「アディクト」とは「中毒」って意味で、本当に病みつきになります。
TOCAがオープンして約6年、その間に40〜50%削げるセニングを2丁も購入していたので、アディクトを試すまでは購入するつもりはなかったんですが、実際に手に取ったらその良さに感動。即決でした。
そして、もう一つ試してみて気に入ったのがこの【エアリーセニング】
1回の開閉で20〜25%毛量を落としてくれます。
毛先のぼかしや根元の毛量調整なんかに使います。
僕の中で前髪は特に繊細に作ることを心がけているので、そんな細かい作業をするのにエアリーセニングは最適です。
歯の形状が特徴的で通常静刃は真っ直ぐなもの。このエアリーセニングは歯に溝があります。
この溝が髪のひっかかりをほとんど無くし柔らかい質感を作ることができるんです。
こちらのエアリーセニングは持ち手をオーダーメイドでカスタム。
僕の原点でもあるimaiiサロンのハサミの持ち方がちょっと特徴的で親指を奥まで入れ込むスタイル。
普通のハサミだと親指が入りきらない。そして持ち手の部分も長くないと最後までハサミを閉じることができない。
久田さんはそのこともわかってるので、僕が何も言わなくてもそれにあった持ち手を探してくれました。
そこまでできるハサミ屋さんっていないと思う。
ハサミ屋って沢山あって、実際どこのハサミがいいのか分からない美容師さんがほとんどだと思います。
それで同僚の使ってるハサミ屋を紹介してもらい、他のハサミ屋を知らないままそこのを購入する。
昔はハサミの材質はどれも同じようなものだから、ハサミよりも研ぎが重要と言われていました。
実際研ぎは重要です。
先日スタッフが使っている有名なハサミ屋さんを紹介してもらいハサミの研ぎを出したんですが、びっくりするくらい薄く研がされ、しかも使って2ヶ月もしないうちに切れなくなりました。セニングなんて開閉すると使ってもないの引っかかる始末。。。
有名なハサミ屋さんだからって研ぎが上手いとは限らないことを知らされました。
久田さんに出会って、ハサミの良し悪しで髪の質感を柔らかく作れ負担なくダメージが軽減されることを教わりました。
また研ぎに対する強い想い、ハサミの寿命をできるだけ長く使える研ぎ方を久田さんはしてくれます。
美容師に技術の差があるように、研ぎ師にも技術の違いがあります。
間違いなく久田さんは【ハサミ屋のプロ】です。
そんなヒサダシザーに出会えたことに感謝します。
なると店長のことをいつもオーナーと言う久田さん、オーナーは僕ですよ。
最高のハサミをありがとうございます。
これでもっと良い仕事ができます。
TOCA 代表 佐藤 洋児